カオスの海に溺れるサカナは眠れない夜に夢を見る
こんな風に他愛もないやりとりを李斗としたのは、いつぶりだろう……? 懐かしい制服を着ている事もあいまって、気持ちの錯覚を呼び起こす。あの頃……アタシはとても幸せだった。好きだって想いだけで、どこまでも行けそうな気がしてた。いけない事だってわかっていても、止める事ができなかった。
何かを吹っ切る様に見上げた空には、星を隠す明るい夜が広がっている。ずっと続くこの空の下、離れてしまった李斗に心で話しかけた。
李斗……アタシね、決めたよ。これからは、李斗と本当の家族になる。これから先、李斗に彼女が出来た時、笑顔で心から『おめでとう』が言える様に、アタシ大人になるから──
そんな誓いを立てながら、制服の胸ポケットにミサンガをしまう。アタシの前髪を夜風がまたふわりと揺らして通り過ぎた。
何かを吹っ切る様に見上げた空には、星を隠す明るい夜が広がっている。ずっと続くこの空の下、離れてしまった李斗に心で話しかけた。
李斗……アタシね、決めたよ。これからは、李斗と本当の家族になる。これから先、李斗に彼女が出来た時、笑顔で心から『おめでとう』が言える様に、アタシ大人になるから──
そんな誓いを立てながら、制服の胸ポケットにミサンガをしまう。アタシの前髪を夜風がまたふわりと揺らして通り過ぎた。