カオスの海に溺れるサカナは眠れない夜に夢を見る
バカだろ? バカだよな……ホント、自分でもそう思う。仁那と会えなくなって、俺の世界は全てがモノクロに映って見えた。大切だったと気付かされるたび、輝きが強くなれば強くなるほど色濃く映し出される影の様に、その存在は俺の中で増殖と分裂を繰り返しては、唯一無二だと思い知る。
そんな俺が、今すべき事はひとつだ。都内にある大学を受験して、合格する。果てしなく遠い未来は、その先でまた考えたらいい。だけど、心配する必要なんて何もない。俺達の未来に、もう涙の雨は降らせたりしないから。約束──
左手首にまかれたミサンガに、俺はそっとキスをした。
そんな俺が、今すべき事はひとつだ。都内にある大学を受験して、合格する。果てしなく遠い未来は、その先でまた考えたらいい。だけど、心配する必要なんて何もない。俺達の未来に、もう涙の雨は降らせたりしないから。約束──
左手首にまかれたミサンガに、俺はそっとキスをした。