マーメイド・セレナーデ
キスをいっぱいもらって、安心したら悪いなって言って翔太は出て行ってしまった。

仕事だから、と教えてくれたけどやっぱりそれ以上追究出来ないの。
いつかを待つつもりではあるんだけど。





ご飯を作って翔太を待つ。
もうすぐ帰るってメールが届いたから準備万端でいるつもり。


ただいま、という声に無意味に見ていたテレビから目を離してドアを開けて来るであろう翔太を今か今かと待つ。

開いたドアから見えたのは翔太と、



「うちの店、の?」



ショップの袋。
それがうちの店だったから尚更驚いた。
どうしたの、と聞いたら歯切れの悪い口調でまあ、と。目を合わせないのは普段からあることだから気にもしなかったけど。
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