マーメイド・セレナーデ
今日も、携帯のアラームの前に鳴り出した音楽。
少しの期待と少しの緊張をもって、電話に出る。今日は落ち着いた様子の翔太の声にあたしも人知れず息をついた。
昨日の素気なさにはあたしも少し参ってたみたいだ。
「今日は、大丈夫なの?」
『ああ、昨日は手違いがあったのに気付いてバタバタしてたんだよ』
「そう。今ホテル?」
『ああ』
普段からお互いべらべら話す性格でないせいか、会話は続かない。あたしは続けたいと思ってるんだけど。
言葉にして話すというよりも、ただそこに居ることが大事だった。
だからか、顔の見えない相手を会話をするのはちょっと気まずい。電話越しに人の気配が届かない。
「あ、25日。多分休み取れそうだわ」
『なら、……24に有給とれよ』
ここで、取れるわけないと言ってしまったらまた翔太に一方的に言い募られて切られてしまうって分かったから。
うん、と返事をするだけにとどめた。
沈黙が落ちる。
どうしてだろう、話題がなくなったら2人とも黙り込んでしまうのは。
少しの期待と少しの緊張をもって、電話に出る。今日は落ち着いた様子の翔太の声にあたしも人知れず息をついた。
昨日の素気なさにはあたしも少し参ってたみたいだ。
「今日は、大丈夫なの?」
『ああ、昨日は手違いがあったのに気付いてバタバタしてたんだよ』
「そう。今ホテル?」
『ああ』
普段からお互いべらべら話す性格でないせいか、会話は続かない。あたしは続けたいと思ってるんだけど。
言葉にして話すというよりも、ただそこに居ることが大事だった。
だからか、顔の見えない相手を会話をするのはちょっと気まずい。電話越しに人の気配が届かない。
「あ、25日。多分休み取れそうだわ」
『なら、……24に有給とれよ』
ここで、取れるわけないと言ってしまったらまた翔太に一方的に言い募られて切られてしまうって分かったから。
うん、と返事をするだけにとどめた。
沈黙が落ちる。
どうしてだろう、話題がなくなったら2人とも黙り込んでしまうのは。