マーメイド・セレナーデ
「行きたくなくなってきたな」



ぽつりと吐息とともに零れた言葉に苦笑してしまう。



「じゃあ、2日間家でごろごろする?」



あたしはそれでもいいわ、言葉の裏にその気持ちを告げた。



「それはないな。牧とミキに殺される」



ちらりと時計に視線をやって、準備するか、と零した。


あたしはルージュを塗り直して、翔太は着替えを始めた。



昨日ほど甘い夜はなかった。
それもこれも喧嘩が引き立ててるのよね。

どうしていいかわからなかった状態も牧さんと幹彦さんがフォローしてくれたおかげだわ。


最初の夜の電話もそうだった。
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