マーメイド・セレナーデ
仕事は辞めた。
…………顔がばれてしまった。
あんなマスコミの中、顔がとられてしまったのだし、だいたいあんなところに登場した人間が本店で働いてるって知ったら、大変なことになった。
最終便で帰って、遅出のあたしは翔太とのんびりとした朝を過ごしていたらテレビの中に、あたしと、翔太がいた。
呆然と見ていたら翔太は笑った。
おい、真知映ってるぞ、って。
「どうしてくれるのよ!って、店長も映ってるじゃない」
「ああ、そういや取材の申し込みがあったから本店を許可したんだった」
「あわわ、あたし仕事いけない……」
「辞めればいいだろ。お前を養うくらいどうってことねぇ」
簡単に言わないでよ、ってその瞬間まで言おうと思ってた。
振り返ったら、開いた口が塞がらない。
…………顔がばれてしまった。
あんなマスコミの中、顔がとられてしまったのだし、だいたいあんなところに登場した人間が本店で働いてるって知ったら、大変なことになった。
最終便で帰って、遅出のあたしは翔太とのんびりとした朝を過ごしていたらテレビの中に、あたしと、翔太がいた。
呆然と見ていたら翔太は笑った。
おい、真知映ってるぞ、って。
「どうしてくれるのよ!って、店長も映ってるじゃない」
「ああ、そういや取材の申し込みがあったから本店を許可したんだった」
「あわわ、あたし仕事いけない……」
「辞めればいいだろ。お前を養うくらいどうってことねぇ」
簡単に言わないでよ、ってその瞬間まで言おうと思ってた。
振り返ったら、開いた口が塞がらない。