マーメイド・セレナーデ
「真知ちゃんだっけ?」
集まった女の子達はあたしから見ても可愛くて、男はそちらに掛かりきり。
合コンに男目当てで来たわけでないあたしにとってそれはとても好都合だった。
席替えで壁側の席になったから、一人ゆっくりと飲んでいたのにそう、声が掛かった。
その声音にあたしの身体は思い切り跳ねた。ここ数年耳にしていない声だとあたしの身体は、聴覚は認識したんだもの。
「えっ……」
振り向いて顔を見るけれど、それは当たり前だけど違う人だった。
悪いと思うのだけど、さっぱり名前が思い出せない。
それをわかっているのか隣に座る人は苦笑しながらも鉄平だよ、と教えてくれた。
「あ、強そうな名前ね……」
「つ、強そうって……。初めて言われた。ねえ、真知ちゃんって――」
集まった女の子達はあたしから見ても可愛くて、男はそちらに掛かりきり。
合コンに男目当てで来たわけでないあたしにとってそれはとても好都合だった。
席替えで壁側の席になったから、一人ゆっくりと飲んでいたのにそう、声が掛かった。
その声音にあたしの身体は思い切り跳ねた。ここ数年耳にしていない声だとあたしの身体は、聴覚は認識したんだもの。
「えっ……」
振り向いて顔を見るけれど、それは当たり前だけど違う人だった。
悪いと思うのだけど、さっぱり名前が思い出せない。
それをわかっているのか隣に座る人は苦笑しながらも鉄平だよ、と教えてくれた。
「あ、強そうな名前ね……」
「つ、強そうって……。初めて言われた。ねえ、真知ちゃんって――」