マーメイド・セレナーデ
社会人の従姉妹を頼りにあたしはその日の夜、家を飛び出した。

そのときは一人暮らしするつもりなんて全くなくて、ただ翔太と離れたかっただけだった。

翔太と離れたいと思ったのは初めてのことだった。



電車に揺られ落ち着きを取り戻し、ようやく翔太の言葉の意味を考え始め、従姉妹の家に着いたときにはここで暮らそうと決心していた。
< 74 / 302 >

この作品をシェア

pagetop