御曹司様はあなたをずっと見ていました。

「ママ~、パパ~、海!!大きい!」


進一郎さんはサプライズで南の島に私達を連れて来てくれたのだ。
今回は少しだけ贅沢をするという事で、なんとプライベートジェットをチャーターしてこの島まで来たのだ。
東京から3~4時間くらい移動して着いた島。

静かな離島で、めちゃめちゃ海が綺麗なのだ。

後で聞いて驚いたが、進一郎さんの海外の知人が、プライベートアイランドを持っているので、新婚旅行にとご招待してくれたのだ。

プライベートアイランドといっても、大きなお城のような別荘があり、そこにはシェフなど沢山の人が島を管理しているのだ。
以前は、某国王もお忍びで遊びに来たというから驚きだ。

「シンイチロウ!ヨクキテクレタ!」

島で迎えてくれたのは、この島のオーナーであるバロンさんだ。

バロンさんはグリーンの瞳に少し日焼けした肌、漆黒の髪をもつエキゾチックな男性だった。

「バロン、妻の梨沙です。」

進一郎さんが私を紹介してくれると、バロンさんは笑顔で握手の手を差し出した。
差し出された手に握手をすると、大きくごつごつとした手で力も強い。

「バロンさん、お招きいただきありがとうございます。」

すると、バロンさんはウィンクをしながら話し出した。

「シンイチロウには勿体ない。もし飽きたら僕の所においで…ハッハッハッ」

もちろん冗談だが、進一郎さんは真面目な顔をする。

「バロン、それは許せないな!それに握手が長すぎだ、早く梨沙から手を離せよ。」

「オーコワイネ…シンイチロウに殺されそうだ…ハッハッ」



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