御曹司様はあなたをずっと見ていました。


早いもので新婚旅行からもう2か月も経っている。

進一郎さんは相変わらず仕事に忙しくしている。

実は今日、皆には内緒だが私は病院に来ていた。
病気と言うわけでは無いが、なんだかだるくて不調なのだ。
心配性の進一郎さんには言わず、一人で病院に来た。

診察を終えて、いろいろな検査をして結果を待っていると、看護師が私の名前を呼んだ。

「高宮さん、診察室にどうぞ。」

診察室の中にいるのは、優しそうな女医さんだ。

私が椅子に座るのを確認すると、いきなり笑顔になった。

「高宮さん、おめでとうございます。」

「…っは?」

「妊娠されてますよ。」

その言葉を聞いて、驚きで言葉が詰まる。
あの旅行から2か月、本当に私達の赤ちゃんが舞い降りてくれたのだ。
バロンさんの言葉が蘇る。

「イイツタエ…アタル。」

その言葉が本当だったのだ。





これから進一郎さんになんて伝えようかな。

喜んで仕事に支障が出るといけないから、帰って来てから報告することにしよう。

きっと喜んでくれるはず。



私達の天使が二人になろうとしている。

今、私は最高に幸せです。


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