御曹司様はあなたをずっと見ていました。
「…梨沙…梨沙…」
遠くで誰かが私を呼んでいる。
でも…瞼が重くて…目が開けられない。
すると、今度は私の手を誰かが掴んでいるようだ。
その手は温かく、とても気持ちが良い。
私は夢を見ていた。
大好きなお父さんとお母さん、そしてお爺ちゃんが私に向かって微笑んでいる。
しかし、すぐに3人はどこかへ歩いて消えて行ってしまった。
一人になり心細くなっていた時、遠くでまた誰かが私を呼ぶ声が聞こえて来たのだ。
「…梨沙…梨沙…。」