御曹司様はあなたをずっと見ていました。
私の世界が変わっていく
久しぶりに戻って来た進一郎さんのマンション、そして事務所。
たった10日間だけの不在だったが、すごく久しぶりという感じがする。
事務所には赤沢さん、細谷さん、もちろん進一郎さんが揃っている。
そして、そこにもう一人、懐かしい顔があったのだ。
「裕子!…どうしてここに居るの?」
そこに居たのは同期入社で友人の西村裕子がいたのだ。
私は裕子に走り寄った。
「…ふふっ、驚いたでしょ?…梨沙を驚かせようと思って黙っていたんだ…でも…梨沙が刺されたこと知らなくて…お見舞いに行かないでごめんね。さっき皆さんから、梨沙が刺されたと聞いて、驚いて倒れそうだったよ。」
「裕子、私はすっかり元気だから大丈夫…それよりも、裕子がここに居るということは…また一緒に仕事できるの?」
「うん。梨沙、よろしくね。」
なんと裕子は会社を辞めて、私達の仕事を一緒に手伝ってくれることになったのだ。