御曹司様はあなたをずっと見ていました。
進一郎さんからのメッセージもあり、私は先に寝かせてもらうことにした。
夜食のスープはお皿に入れて、レンジで温めるだけにしておく。
進一郎さんが気づくように、スープの上に蓋をしてメモを貼っておくことにした。
ベッドに入ると、自分でも驚くほどに早く眠気が襲ってくる。
やりがいはあるが、忙しい仕事には変わりない。
思っていた以上に、私の体は疲労しているようだ。
私は気を失うように、すぐに寝てしまった。
どれぐらい時間が経ったのだろうか、朝の気配に目が覚めた。
カーテンの隙間から、太陽の光が部屋の中へ真っすぐ伸びていた。
微かに鳥の声も聞こえている。
すると、カチャリと小さな音を出して、ドアが開いたのだ。
ドアに目を向けると、進一郎さんが静かに部屋に入って来た。
今、帰って来たのだろうか。
「…進一郎さん、お帰りなさい。」
進一郎さんは、私が目を覚ましたことに驚いた表情をしている。
「り…梨沙、…ただいま。遅くなってすまない。起こしちゃったね。」
進一郎さんは、それだけ言うと、疲れた表情でベッドに入った。