御曹司様はあなたをずっと見ていました。

「驚いただろ…彼女は、高宮真紀(かたみや まき)と言って、高宮の妹なんだ…と言っても血のつながりは無いけどな。」

裕子と私はほぼ同時に声を上げた。

「妹さんがいらっしゃったのですか?」

驚く私達に、進一郎さんは自分で話し始めた。

「僕がちょうど10歳の時に、真紀はうちの養女になったんだ。…真紀は僕の母の親友の子供なんだ。真紀の母親は母子家庭で真紀を育てていたのだけど、病気に倒れて天国へ旅立ってしまったんだ。僕の母親はそれ以来、真紀を引き取って自分の子供として育てたんだ。…といっても実の息子よりも溺愛しているけどな。…ちょうど、僕より5つ下だから、梨沙たちと同じ年じゃないかな。」


真紀ちゃんは、皆に向かって笑顔を見せると、話を始めた。

「はじめまして…私は進一郎お兄様の妹なの…アメリカの大学を卒業して、ずっとむこうで働いていたのだけど、今回ちょっと訳があって日本に帰って来たの…しばらくは日本にいるつもりだから、よろしくね。」

なんと、真紀ちゃんは、進一郎さんの妹だったのだ。


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