御曹司様はあなたをずっと見ていました。
進一郎さんが真紀ちゃんを真っすぐ見ながら話し出した。
「真紀、これだけ皆に迷惑をかけだんだ。真摯に反省して皆に謝るんだ。…そして実家に帰れ…いいな。」
真紀ちゃんは少し納得いかないという顔をしたが、皆の真剣な顔を見て下を向いた。
「…ご…ごめんなさい。でも…ここにいちゃダメなの?」
進一郎さんは大きく頷いた。
「あぁ…もしもの事が有ってからでは遅いからな。実家なら我儘もそうは言えず、遅くまで遊びまわることも出来ないだろう。…そのほうが安心だ。」
真紀ちゃんは、進一郎の腕を掴んで話し出す。
「進一郎…私はずっとあなたが大好きだったのに…追い出すなんて酷いわ。」
進一郎さんは、一度目を閉じて、少し沈黙した。
「真紀…君は僕の大切な妹だ。真紀の僕に対する気持ちは知っていたが、気づかぬふりをしていたんだ。」