偽りだらけの私の世界に、本当をくれたのは君でした。
 都会では、夜に明かりがついていたって不自然じゃない。明かりがない方が不自然だ。

 夜は____人の真っ黒な部分を、美しく照らし出す。

 何処かの家で起こる激しい喧嘩だって、夜では一つのBGMでしかない。

 暴力、虐め。犯罪ですら、美しく、照らされる。

 そんな夜に、私は眩しいほど照らし出される。夜に____愛されてるんだ。

 星々が煌めく空を見上げて思う。

 こんなこと、世間はどう思うんだろ。

 どうせ、正義に沿った模範的な解答をするんだろうな。

 頬をツーーと、何かが伝っていく。涙だ。

 拭う事はしない。拭っても意味はない。格好つけても、意味はないから。

 「ふ・・・ぅ・・・」
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