偽りだらけの私の世界に、本当をくれたのは君でした。

憧れの生徒会長

 「さすがね。今年も最優秀賞取っちゃうなんて」

 「ふふっ。私も安心しました。去年より賞落ちてしまったら、みんなに向ける顔がないですから」

 「そうね。学校創立以来の天才生徒会長だもの。みんなも期待しているわ」

 「これからもご期待に添えるよう頑張ります。では失礼いたします」

 朝早く私は担任から職員室へ呼び出されていた。 

 作文コンクールで入賞したから、全校の前で読み上げてほしいということだった。

 正直、何書いたか覚えてもない。

 人権について、とかだったかな。

 そんなことをぼんやりと考えながら生徒会室に向かう。

 豪華な作りのドアを押して中に入る。

 「あ、先輩?おはようございます。今日は早いんですね」
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