偽りだらけの私の世界に、本当をくれたのは君でした。
 「僕も呼ばれてたので。やっぱり先輩もだったんですね」

 私も、そんな気はしてた。

 不知火さんはきっと入賞しているだろうなって。

 「お互い頑張りましょうね」

 「はい」

 全校の前で作文を読むことに対しての、励ましをもらう。

 それから自分の仕事をこなす。

 ***

 「では、時間になったので私は行きますね。またあとで会いましょう」

 ぺこりと不知火さんに頭を下げて、生徒会室を出る。

 不知火さん、終始静かだったな。

 でも、冷たいとか近寄りがたいとかの雰囲気はなくて。

 ああいう所が人に好かれる理由なんだろうな。
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