消えた影
「かわいいっ」と嬌声をあげて心愛が近寄ろうとすると、白猫はフーッと唸って警戒態勢をとる。
「なんで?どうしてこの子はいつもあたしのこと避けるの?!何かした?」
ガブラが惚れていることに気づかない彼女は、彼を募っている白猫に嫌われて当然だが。
「やっぱり『怪力女』はネコを虐めたことがあるんじゃないの?」
「ないわよ!んもう、『オカルト』には懐くくせに!」
白猫を抱き上げた彼は苦笑する。
「やっぱりこの名札、かえって人間関係がギクシャクするんじゃないのかな」
「ククッ……そういうトラブルもこの装置の狙いだぜ」
キック二発でダウンしていたマルドが呟く。今の発言で、心愛に三発目のキックを食らったが。
「全く、くだらん遊びに巻き込みおって」
銃を下ろした彼は、おもむろに名札を外そうとした。無理やり取ろうとしても、服が引っ張られるだけだ。心愛はため息混じりに首を振る。
「取れないのよ、諦めて。あんたもあたしたちとしばらくお遊びに付き合うしかないみたいね、『赤鬼』」
「な、なんだと『怪力女』。お前までそんな……はっ!?お、俺は今なんと?待て、間違いだ!そんなふうに呼ぶつもりは!言い直すぞ、かいり……き……ぐふっ!!」
突然血を噴いてぶっ倒れるガブラ。
「何やってんのよ。ちょっと大丈夫?『赤鬼』」
「にゃあ」
「ミャ〜ン」
心配そうに彼に駆け寄る子猫たち。
「むぐうううう……不覚」
「あら?」
ピクピクと痙攣している彼の背中には、探偵団ワッペンではなく白いカードが貼られている。それに気づいたのはノアちゃんだ。
「なんで?どうしてこの子はいつもあたしのこと避けるの?!何かした?」
ガブラが惚れていることに気づかない彼女は、彼を募っている白猫に嫌われて当然だが。
「やっぱり『怪力女』はネコを虐めたことがあるんじゃないの?」
「ないわよ!んもう、『オカルト』には懐くくせに!」
白猫を抱き上げた彼は苦笑する。
「やっぱりこの名札、かえって人間関係がギクシャクするんじゃないのかな」
「ククッ……そういうトラブルもこの装置の狙いだぜ」
キック二発でダウンしていたマルドが呟く。今の発言で、心愛に三発目のキックを食らったが。
「全く、くだらん遊びに巻き込みおって」
銃を下ろした彼は、おもむろに名札を外そうとした。無理やり取ろうとしても、服が引っ張られるだけだ。心愛はため息混じりに首を振る。
「取れないのよ、諦めて。あんたもあたしたちとしばらくお遊びに付き合うしかないみたいね、『赤鬼』」
「な、なんだと『怪力女』。お前までそんな……はっ!?お、俺は今なんと?待て、間違いだ!そんなふうに呼ぶつもりは!言い直すぞ、かいり……き……ぐふっ!!」
突然血を噴いてぶっ倒れるガブラ。
「何やってんのよ。ちょっと大丈夫?『赤鬼』」
「にゃあ」
「ミャ〜ン」
心配そうに彼に駆け寄る子猫たち。
「むぐうううう……不覚」
「あら?」
ピクピクと痙攣している彼の背中には、探偵団ワッペンではなく白いカードが貼られている。それに気づいたのはノアちゃんだ。