ずっと、好きなんだよ。
んん?


今...何時だ?


時計の針は15時25分を差している。


朝から開けていなかったカーテンを少し開けようと身体を起こすと、グラッと目眩がした。


なんだ、これ...。


力が入らない...。


さすがのオレも気づいた。


これは...ヤバイやつだ。


意識が朦朧とし、立って歩くと倒れそうだから、オレは床を這って部屋から出て壁を伝い居間の棚にある救急箱を取った。



「ゲホッゲホッ...。あっつ...」



体温計を脇に挟み、音が鳴るのを待つ。


ーーピピっ。



「マジか...」



39度7分。


オレ、死ぬのか?


いや、死ねない。


まだ...死んでたまるか。


だが、自分でなんとか出来る許容を越えている。


このままじゃまずい。


どうする?


......アネキ、か。


確かアネキは出張だと言っていたが...仕方ない。


母さんも夏音もいない今頼れるのはアネキしかいない。


まぁ、大学の友人がいないこともないが、瀕死のオレを看病してくれるほど親しいやつは残念ながらいない。


アネキ...ごめん。


オレは震える指でスマホをタップした。


何コールかした後にアネキの声が聞こえてきた。



「れお、どうした?」


「アネキ...わりぃ。ゲホッゲホッ。風邪引いちまって。ゲホッゲホッゲホッ。熱ある」


「薬は?家にある?」


「あぁ、1回分だけ。それ飲んで凌ごうと思う。アネキ...いつ帰って来れる?」


「ごめん。今から帰っても深夜になりそう。それまで待てる?」


「あぁ。ほんと、ごめん」


「いいから。むしろ頼ってくれてありがと。こういう時こそ、アネキの出番。それより、安静にしててね。水分だけはちゃんと摂って待っててね」



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