ずっと、好きなんだよ。
よく分からないことで笑い、


下らない思い出話に花を咲かせていたらあっという間に時が流れた。


薬のお陰で徐々にオレの咳も収まり、熱も下がってきていた。



「37度8分。すげ、もうこんな下がったのか。朽木来る前に計った時は39度とかだったのに」


「薬のお陰だね。ほんと、死ななくて良かったよ。こんなんで死んだってなったら、お母さんも美玲さんも、それに栄木さんだって泣いちゃうだろうし」



なんて言っておきながらも朽木が1番泣くんだろうな。


あん時も...


オレのために朽木は良く笑い、良く泣いてくれた。


きっとオレが朽木の人生に良くも悪くも深く関わってしまって、朽木のことを振り回してしまったんだと思う。


そして、今日も...。


本当は帰すつもりだったのに、


気づいたら時計の針は確実に進んでいて。


ごめん。


もう、関わらない方がいいんだよな。


朽木には朽木の人生があって、


オレにもオレの人生があって。


朽木の人生はきっとこれから眩しい方に向かう。


それなのに、朽木を傷つけたオレが居てはいけない。


いる価値もない。


オレもオレで自分の進むべき道を...。


って、オレの道...真っ暗闇だったんだ。


思い出して、薬を飲んだ時以上に口の中が苦くなった。



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