ずっと、好きなんだよ。
「大丈夫、だよ。大丈夫、なんだよ。だって、玲音くんは玲音くんなんだから」


「えっ...?」



あのクリスマス以来だ。


朽木がオレの名前を呼んだ。


その瞬間、オレの心にぽおっと淡い光が灯った。


朽木の瞳にオレの姿が映る。


朽木の唇が動き出す。



「何で悩んでるとか聞いても分かんないかもしれないから聞かないけど、でも、なんとなく辛いとか苦しいとか、私にもそういうのはあるから分かるよ。

周りが眩しすぎて私なんかちっぽけだ、夜空に浮かんでても目に見えないくらいの光しか放てない残念な星だって思ってる。

でも、なんか最近はそういう自分も悪くない、自分は自分だって思うようになった。

どれもこれも全部自分。自分だから仕方ないじゃんって。

そんなカッコ悪い自分でも情けない自分でも、必要とされてる時もある。

私にとってはそれが職場で、少しずつ力になれてるって感じられる瞬間があると純粋に嬉しいし、こんな私でもいて良かったって思える。

きっと、今の玲音くんにはそれがちょっと足りないんだと思う。うまく言えないけど、自分の存在を肯定出来る材料みたいなもの。

だから、私が...分けるよ」



星屑が心の水面にぽちゃんっと一滴ずつ落ちていった。


朽木の言葉の一つ一つがオレにとっては星のようだった。


キラキラでもギラギラでもない。


淡く優しい光がオレの心に次第に溜まり、大きな光になった。


オレの瞳から溢れた流れ星が頬を伝った。



「泣いてるの、初めて見た」


「っるせぇ。泣いてない...」


「泣いてる。もう、顔ぐちゃぐちゃだよ」


「泣いて...ない...。ゲホッゲホッ」



咳込むオレの背中をさすりながらも朽木は言葉を紡ぐ。



「泣いてても笑ってても、玲音くんは玲音くん。どんな瞬間の玲音くんも玲音くんなんだよ。大丈夫。全部全部自分で、何をしたって、何を言ったって、間違いなんてない。たとえ、誰かが間違いだって言っても私が受け入れる。私が玲音くんを信じる。何度だって言う。大丈夫だって、信じてるって。だから...」


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