ずっと、好きなんだよ。
「行かなきゃ」



栄木さんが私の瞳を見つめる。



「そういうことです。今日で始まって終わってまた始めるんだよ」


「うん...。栄木さん、ありがとう。もうごめんなさいは言わないから、最後にもう一度だけごめんなさいを言わせて。...ごめんなさい。わたし...行ってきます」


「行ってらっしゃい。わたしはもうちょっと課題進めるねぇ」



栄木さんに見送られ、私は店を飛び出した。


なんとなく...分かる。


待ってて。


今、行くから。


今日こそちゃんと伝える。


溢れてどうにかなりそうなこの想いを、


ありったけ抱えて、


走って行くから。


キミの一番を聴くまで、


わたしは走るから。


1秒でも早くその声の届くところまで


走って行くから。


...大丈夫。


...大丈夫、だよ。


朽木奈和。


私はもう昔の私じゃない。


会いに行こう。


前よりも少しだけ、


ほんの少しだけ明るい私で。


聖夜の天使が導いてくれた、


何度目かの再会を想って、


寒空の下、


防寒対策ばっちりの私は行く。

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