ずっと、好きなんだよ。
「夏音」


「何?」



向けられる真っ直ぐな眼差しが痛い。


胸が締め付けられて苦しい。


だが、もう戻れない。


いや、戻るつもりはない。


オレは唾を飲み込んだ。


言ってしまおう。


ストレートに。


回りくどいのはらしくない。


どんな言葉が返って来ても受け止める。


その覚悟は出来ているのだから。


拳を握りしめる。


ふぅっと心の中でひとつ大きな息をつく。


そして、放った。



「オレと別れてほしい」

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