ずっと、好きなんだよ。
ずっと、好きなんだよ。

奈和side

いつから好きだったか。


ちゃんと覚えてる。


今朝ね、何を思ったか、クローゼットの奥にしまい込んだ想い出の品々を詰め込んだ箱を開けたんだ。


やっぱり、今日だったから、かもしれない。


久しぶりに顔を見たよ。


うさぎのキーホルダー...。


私がキミからもらった最初のプレゼント。


それは..."好き"っていう気持ち。


うさぎのキーホルダーを見つけてくれた日のこと、私は今でもはっきり覚えてる。


キミは私の好きなもの、覚えてる?


私の嫌いなもの、覚えてる?


今私は何を思ったか、走ってるんだよ。


キミのために、


凡人の脚力の全力を出しても


平均的な速度で。


でも1秒でも早く行かなきゃって足を動かしてるんだよ。


会いたい。


ただ、会いたい。


ずっと、ずっと、ずっと、


会いたかったんだよ。


時が忘れさせてくれるって期待したり、


キミのことを忘れようと努力したこともあったけど、


でも、それは...違う。


私じゃない。


キミのことが大好きで、


キミのことを誰よりも想ってる。


そんな自分が、


私はね


好き、なんだよ。


私はキミ無しでは完成しない。


絶対に欠けてはいけないピース。


だからこそ、今、


私は走ってる。


私のラストピースを


光の下で埋められるように。


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