ずっと、好きなんだよ。
その日、奈和は良く笑っていた。


今までの分を埋めるかのように。


オレの記憶をなぞるように。


その笑顔を見たくて、


側にいたくて、


オレは奈和の隣を選んだ。


そして、日付が変わろうとする今も、


そこにいる。



「奈和」



遅めの夕飯を食べ終え、片付けが済んでこたつに戻る。


奈和の隣は妙に温かい。


このまま眠ってしまえたら、なんて思うが、一度けじめをつけなければならない。


言わなければならないこと、ちゃんと言おう。


そしたら、今日が終わり、


明日がやって来る。



「改めてちゃんと言わせて欲しい。オレは奈和が好きだ。これからもずっと...ずっとずっと一緒にいたい。オレが奈和の笑顔を守りたい。だから...オレと付き合って下さい」



テレビの向こうから今年活躍したスポーツ選手のインタビューの内容が聞こえてくる。


なんか...苦しい。


沈黙の中に流れるハツラツとした音楽が耳障りだ。


早く終わってくれ。


インタビューも


この沈黙も。



「えー、続いては...」



次の話題が始まろうとして、奈和がリモコンを操作した。


本当の沈黙が訪れる。



......。



何かさらに言わなきゃダメ、か?


考える間もなく、沈黙に耐えきれず話し出そうとした、その時。



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