ずっと、好きなんだよ。
アネキからの有難いお言葉にちょっと涙が出そうになったのはオレだけの秘密だ。
あれから早いこと5年が経とうとしている。
卓上カレンダーが2月のまんまになっているのに気づいて、慌てて1枚めくった。
「あら、もう3月?」
「早いよな。アネキの結婚式から5年経つんだってさ。今ではもう敏腕社長夫人でバリバリ世界中飛び回ってるし。すげーよな、アネキは」
「何言ってるの。玲音だって、立派に先生やってるじゃない。ストレートで合格してすぐクラス持ってその子達が卒業なんて、ねぇ...。母さん、鼻高々よ」
「そうかぁ?」
「そうよ~。本当、自慢の娘と息子よ」
母さんの言葉通り、オレは念願叶って高校の教師になった。
科目は政経。
1年生の副担を担当し、その生徒達が3年生に進級した時に担任の先生が産休に入り、オレがクラスを持つことになった。
正直新卒が副担になり、そのまま担任になるなんて絵に描いたようなエリートコースを歩んでしまったわけだが、それはそれで悩みも多かった。
けど、オレが悩んでいたら察してくれて
自分のことのように話を聴いてくれて、
オレにもう1つの道を示してくれる、
そんな人がオレにはいた。
その人のお陰で山あり谷ありを乗り越えられ、
ようやく今日卒業式を迎える。
そして、一緒に悩み、乗り越えてくれた...カノジョの誕生日を迎える。
「今日は奈和ちゃん家泊まってくるんでしょ?」
「あぁ」
「それ、渡すんだろうから。玲音なら大丈夫。頑張らなくても大丈夫だから、ちゃんと想い伝えて来なね」
「分かった」
あれから早いこと5年が経とうとしている。
卓上カレンダーが2月のまんまになっているのに気づいて、慌てて1枚めくった。
「あら、もう3月?」
「早いよな。アネキの結婚式から5年経つんだってさ。今ではもう敏腕社長夫人でバリバリ世界中飛び回ってるし。すげーよな、アネキは」
「何言ってるの。玲音だって、立派に先生やってるじゃない。ストレートで合格してすぐクラス持ってその子達が卒業なんて、ねぇ...。母さん、鼻高々よ」
「そうかぁ?」
「そうよ~。本当、自慢の娘と息子よ」
母さんの言葉通り、オレは念願叶って高校の教師になった。
科目は政経。
1年生の副担を担当し、その生徒達が3年生に進級した時に担任の先生が産休に入り、オレがクラスを持つことになった。
正直新卒が副担になり、そのまま担任になるなんて絵に描いたようなエリートコースを歩んでしまったわけだが、それはそれで悩みも多かった。
けど、オレが悩んでいたら察してくれて
自分のことのように話を聴いてくれて、
オレにもう1つの道を示してくれる、
そんな人がオレにはいた。
その人のお陰で山あり谷ありを乗り越えられ、
ようやく今日卒業式を迎える。
そして、一緒に悩み、乗り越えてくれた...カノジョの誕生日を迎える。
「今日は奈和ちゃん家泊まってくるんでしょ?」
「あぁ」
「それ、渡すんだろうから。玲音なら大丈夫。頑張らなくても大丈夫だから、ちゃんと想い伝えて来なね」
「分かった」