ずっと、好きなんだよ。
「あれ?もしかして...朽木奈和ちゃん?」



その呼ばれ方に心当たりがあった。


恐る恐る振り返ると...いた。


テレビの向こうから飛び出してきたようなスレンダー美女が真ん丸の瞳で真っ直ぐ私に視線をぶつけていた。



「やっぱり朽木奈和ちゃんだ!久しぶり!あたしのこと、覚えてる?」



覚えていないわけがない。


こんな綺麗な人、1度見たら忘れないよ。


それに...ね。



「香西美玲さんですよね?」


「ふふ。あったり~」



彼のお姉さんだから。


ふと視線をずらすと彼女が抱えている雑誌の表紙が目に入った。


......あ。



私はとんでもない時に遭遇してしまったようだった。



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