ずっと、好きなんだよ。
「あたし...結婚するから」
午前7時55分。
朝の情報番組の占いで1位だとかなんとか騒いでいたアネキが、人生において3本指に入るくらい重大なことを"今日の夕飯はハンバーグにするね"くらいの軽いノリで口にした。
「......は?」
オレは脳が目覚めていないのもあって欠伸と混ざったその一音を発するのが精一杯だった。
「結婚?相手は?」
朝食を食べ終え、食後の薬を飲もうとコップを準備していた母が手を止め、絶賛メイク中のアネキの背中に向かって言った。
アネキはふ~ん、と鼻を鳴らすと、まるで呼吸をするかのように"大学の先輩"と答えた。
そして、"IT企業の社長の息子"とも。
「...マジ、か」
「うんうん、マジマジ。美玲さんねぇ、嘘が大嫌いだから絶対つかないの。これはマジ中のマジだよ」
「ぜんっぜん気づかなかった」
オレがそう言うと、アネキは手を叩いて笑った。
「ふふ。やっぱ気づいてなかった~。れお、昔から超鈍感だからねぇ」
「あのなぁ、今オレで笑ってる場合じゃないだろ?ほら、もっと真剣に話せよ。結婚って、その...もっと重みのあることだろ?」
と、母が言いたいであろう言葉をオレが代わりに口にしているというのに、アネキは全く動じず、いつもと変わらぬルーティンを繰り返し化粧をし終えた。
手を洗いに台所に近付く。
薬を飲み終えた母がコップを洗いに行く。
2人の背中が並ぶ。
午前7時55分。
朝の情報番組の占いで1位だとかなんとか騒いでいたアネキが、人生において3本指に入るくらい重大なことを"今日の夕飯はハンバーグにするね"くらいの軽いノリで口にした。
「......は?」
オレは脳が目覚めていないのもあって欠伸と混ざったその一音を発するのが精一杯だった。
「結婚?相手は?」
朝食を食べ終え、食後の薬を飲もうとコップを準備していた母が手を止め、絶賛メイク中のアネキの背中に向かって言った。
アネキはふ~ん、と鼻を鳴らすと、まるで呼吸をするかのように"大学の先輩"と答えた。
そして、"IT企業の社長の息子"とも。
「...マジ、か」
「うんうん、マジマジ。美玲さんねぇ、嘘が大嫌いだから絶対つかないの。これはマジ中のマジだよ」
「ぜんっぜん気づかなかった」
オレがそう言うと、アネキは手を叩いて笑った。
「ふふ。やっぱ気づいてなかった~。れお、昔から超鈍感だからねぇ」
「あのなぁ、今オレで笑ってる場合じゃないだろ?ほら、もっと真剣に話せよ。結婚って、その...もっと重みのあることだろ?」
と、母が言いたいであろう言葉をオレが代わりに口にしているというのに、アネキは全く動じず、いつもと変わらぬルーティンを繰り返し化粧をし終えた。
手を洗いに台所に近付く。
薬を飲み終えた母がコップを洗いに行く。
2人の背中が並ぶ。