ずっと、好きなんだよ。
「美玲」
「ん?」
吸うのを躊躇うくらいのただならぬ空気を感じる。
オレはただ見守ることしか出来ない。
母が続ける。
「お母さんはね、美玲がどれだけ勉強を頑張って来たか、家族にどれだけ尽くして来てくれたか、十二分に分かってる。今も毎日お仕事に行って、買いたいもの我慢してまでお家にお給料入れてくれてくれてるのも知ってるわ。だからこそ...美玲には世界で一番幸せになる権利があると思ってるの」
「...大袈裟だよ」
母は首を大きく横に振った。
2人の視線が交わる。
「結婚には反対しない。美玲が本当に好きな人と結婚したいって言うなら。でももし仮にそうじゃなくてお金のためでそういうご立派な方を選ぶのだとしたら、お母さんは...」
「違うよ」
アネキの声のトーンが下がった。
ただならぬことをやらかしたオレに正座させて説教する時と同じ声だ。
アネキ...
何かおかしい...。
「あたしはあたしの意思で今の彼を選んで結婚するの。お金のためじゃない」
「なら、いいよ。美玲の口からそれだけ聴きたかった。なんでもかんでも私達のことを優先にしちゃうから、美玲は。大丈夫なら、いいの。結婚...認めるわ。おめでとう」
「ありがと」
どうも噛み合わない。
2人共笑ってるようで笑ってない。
この違和感の正体は...何だ?
もっと素直に驚いて喜んで...
結婚って祝福されるものなはずなのに、
なんでこんな重い空気が漂ってるんだ?
アネキはそんな空気を掻き分けて、定刻に行ってきますを言い、出ていった。
「ん?」
吸うのを躊躇うくらいのただならぬ空気を感じる。
オレはただ見守ることしか出来ない。
母が続ける。
「お母さんはね、美玲がどれだけ勉強を頑張って来たか、家族にどれだけ尽くして来てくれたか、十二分に分かってる。今も毎日お仕事に行って、買いたいもの我慢してまでお家にお給料入れてくれてくれてるのも知ってるわ。だからこそ...美玲には世界で一番幸せになる権利があると思ってるの」
「...大袈裟だよ」
母は首を大きく横に振った。
2人の視線が交わる。
「結婚には反対しない。美玲が本当に好きな人と結婚したいって言うなら。でももし仮にそうじゃなくてお金のためでそういうご立派な方を選ぶのだとしたら、お母さんは...」
「違うよ」
アネキの声のトーンが下がった。
ただならぬことをやらかしたオレに正座させて説教する時と同じ声だ。
アネキ...
何かおかしい...。
「あたしはあたしの意思で今の彼を選んで結婚するの。お金のためじゃない」
「なら、いいよ。美玲の口からそれだけ聴きたかった。なんでもかんでも私達のことを優先にしちゃうから、美玲は。大丈夫なら、いいの。結婚...認めるわ。おめでとう」
「ありがと」
どうも噛み合わない。
2人共笑ってるようで笑ってない。
この違和感の正体は...何だ?
もっと素直に驚いて喜んで...
結婚って祝福されるものなはずなのに、
なんでこんな重い空気が漂ってるんだ?
アネキはそんな空気を掻き分けて、定刻に行ってきますを言い、出ていった。