ずっと、好きなんだよ。
20番テーブルのお客様はカップルだった。


彼氏の方が貧乏揺すりをしている。


あぁ、終わった...。


完全にキレられてる...。


オレの心はもう半分くらい折れていた。



「お客様、大変申し訳ございませんでした。こちらのミスです。只今準備しておりますのでもう暫くお待ち下さい。誠に申し訳ございませんでした」



オレも牧野さんに合わせて深くお辞儀をする。



「分かりました。ミスは誰にでもありますし、大丈夫ですよ。他のお客様も待たれていると思うので戻って下さい」


「すみません...」



蚊の鳴くような声で謝罪し、再度頭を下げる。



「香西くん、行きましょう」



牧野さんから顔を上げるように促され、去ろうとした、


その時だった。





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