ずっと、好きなんだよ。
「れーお」


「あ、ごめん」


「今日はバイトあんの?」


「いや、ない」


「なら、どこにも行かずに家で休んでな。母さんとれおの分も作ったから。とりあえずテストも乗り越えたんだし、夏休みなんだし、しっかり休んで。れおが元気ないとこっちまで暗くなっちゃうんだから」


「分かった。ありがと、アネキ」



素直に言うと、アネキはオレの頭にぽんと手を乗せた。



「頑張りすぎちゃダメ。分かった?」


「うん...」



アネキはふっと笑みを浮かべるとまた鼻歌を歌い出し、別の料理を作り始めた。



いつの間にか周りに気を使わせていたんだな...。


オレはまだまだ子供だと思い知った。


あと1週間で21になるっていうのに...。


オレはまだモラトリアムだ。

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