ずっと、好きなんだよ。
「...くん。れおくん、ほら行くよ」


「えっ?」


「店長さんが責任持って送り届けるらしいから、わたしたちはもう用なし。だから、帰ろ」


「...だな」



オレは夏音の隣を並んで歩き出した。


数十メートル歩いて一瞬振り返った。


朽木...ありがとな。


心の中で呟く。


オレの誕生日を忘れずにいてくれて、


ほんと、ありがと。


いつも直接言えなくて、ごめん。


でも、その分、願ってるから。


今度こそ


幸せになれよ、


朽木奈和。

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