ずっと、好きなんだよ。
「うわっ、すご...」



思わず声をあげてしまった。


といのも、本棚にびっしりと本が並べられていたから。


大学に入ってから買ったであろう本や懐かしい高校時代の参考書もある。


それに、マンガ。


へぇ、こんなの読んでたんだ...。


知らなかった...。



「あんまじろじろ見るな」


「ごめん。なんか、知らないこと多くて...ビックリして...」



ほんと、私全然知らない。


この人のこと、知らなかった。


私の知ってる中で色々考えちゃっていたけど、


きっと、私の知らない世界で


私の知らないこと、いっぱい知ってきたんだよね。


なんか...痛い。


胸がチクリと痛む。


もう私とは、私の世界とは交わらない気がして、


痛いよ。


すごく、痛い。



< 97 / 170 >

この作品をシェア

pagetop