カレカノごっこ。

デートのお誘い。


高校2年生の2学期が始まって早々。

日直当番だった私は、放課後に残って日誌を書いていた。



日誌ってホント面倒くさい。

教科ごとの感想とかいる?

こういうの書くの苦手だ…。



もう9月なのに、窓の外ではまだセミが鳴いていて、ほんのりと汗がにじむ。

暑さと闘いながら日誌を書くのに苦戦していた時、ガラガラッと教室の扉が開いた。



「あれ、井上さんだ。まだいたんだ?」


入ってきたのはクラスメイトの皆藤くん。


「うん、日直だから。皆藤くんはどうしたの?」

「スマホ忘れちゃって」



そう言って皆藤くんは自分の机の中をガサゴソ探している。



「あった。よかったー!」



皆藤くんは見つけたスマホをポケットに入れた。

その様子を、ただなんとなく見ていると皆藤くんと目が合う。
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