カレカノごっこ。

嫉妬。


月曜日。

教室に入ると、伊吹くんの姿が目に入った。

もう来てる。

1人で席に座って、スマホを触っている。

気まずいと思いながらも、自分の席について「おはよ」と挨拶をする。



「…おはよ」



伊吹くんは、きょとんとした顔で私を見た。

それからは何も喋らないまま。

教室ではいつも通りだった。



そしてお昼休みに桃々を屋上に誘って、伊吹くんとの関係を桃々話した。

この関係を終わらせたことも。

桃々は不思議な顔をしながらも最後まで聞いてくれた。



「ごめんね、今まで言えなくて」

「本当だよ。寂しかったなー」

「ごめん!」

「言ってくれたから、もういいけど」



桃々はそう言いながらも、曇った顔色をしていた。



「新奈はそれでいいの?」

「え?」

「だって今の新奈、すごい悲しそうだよ」

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