カレカノごっこ。
デートをやめようって言ったのは私。
だからこんなショックを受けてるなんておかしい。
確かに伊吹くんは、自分に関心のない女の子だったら誰でもいい感じだった。
次に相手を見つけてデートしても、全然おかしくない。
だから私がこんなこと思うのは間違ってる。
私は自分のほっぺたを両手でパチンと叩いた。
今、入っていくの正直気まずい。
けど話はすぐに終わりそうにない。
部外者の私が、ずっとここで話を聞くのも申し訳ない。
だから、意を決して教室に入っていった。
「あ、井上さんだ」
私の存在なんて無視してくれていいのに…。
伊吹くんの声で、女の子は振り向いた。
綺麗なロングヘアが似合う、美人な女の子だった。