カレカノごっこ。

皆藤くんが提案してきたお店は私も気になっていた。

仲良しの桃々(もも)はいつも部活で、なかなか予定が合わないし。

もしかして、皆藤くんは私とデートがしたいんじゃなくって、あのカフェに行ってみたかっただけなのかも。

だとすると好きにならないでって言ったことも腑に落ちる。

それならそうと最初っからそう言ってくれればよかったのに。

なんでデートなんてまぎらわしい言い方したんだろう。



「そのお店、私も行きたいと思ってた」

「まじ?すごい奇遇だね?運命?」

「いや、運命って」



びっくりするぐらい軽いノリで言葉を並べる皆藤くん。

さすがにここまでくると清々しい。

そんな皆藤くんを見てると、色々気にしてたことがバカらしくなってきた。

行きたかったカフェにも行けることだし。

成り行きで変なことになっちゃったけど、自称デート?思いっきり楽しもうと思った。

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