カレカノごっこ。
学校に行くと、いつも私より早く来ている伊吹くんの姿がなかった。
そういえば昨日のあれ…見られてたかな。
多分、私の唇に触れたのって渉の唇だったんだよね…。
渉は今日も何も言わなかったけど…。
私から、昨日キスした?なんて、とてもじゃないけど聞けないし。
でも仮にキスされたとして、そんなところを伊吹くんに見られてたとしたら…。
…ムリだな。
よし。
見られてない前提でいこう。
何もなかったかのように、普通に。
今まで通り、普通に接するんだ。
そう意気込んでいたのに伊吹くんは今日、学校に来ることはなかった。
どうしたんだろう。
やっぱり昨日の…。
って、さすがにそれは自意識過剰!
たとえ見られていたとして、そんなことで休むような人じゃない!
じゃあ、なんで休んでるんだろう。
もう、伊吹くんの席を横目にため息しか出なかった。