カレカノごっこ。

学校に行くと、いつも私より早く来ている伊吹くんの姿がなかった。

そういえば昨日のあれ…見られてたかな。

多分、私の唇に触れたのって渉の唇だったんだよね…。

渉は今日も何も言わなかったけど…。

私から、昨日キスした?なんて、とてもじゃないけど聞けないし。



でも仮にキスされたとして、そんなところを伊吹くんに見られてたとしたら…。

…ムリだな。

よし。

見られてない前提でいこう。

何もなかったかのように、普通に。

今まで通り、普通に接するんだ。



そう意気込んでいたのに伊吹くんは今日、学校に来ることはなかった。

どうしたんだろう。

やっぱり昨日の…。



って、さすがにそれは自意識過剰!

たとえ見られていたとして、そんなことで休むような人じゃない!

じゃあ、なんで休んでるんだろう。

もう、伊吹くんの席を横目にため息しか出なかった。


< 136 / 251 >

この作品をシェア

pagetop