カレカノごっこ。
カフェデート。
職員室に日誌を出して、皆藤くんと一緒に学校を出る。
なんだか皆藤くんの隣を歩いているなんて不思議な気分だ。
ついさっきまではただのクラスメイトで、あんまり喋ったこともなかったのに。
「すげー楽しみなんだけど」
皆藤くんは満面の笑みを私に向けて、弾むように歩いている。
さっき「好きにならないで」と言った時の皆藤くんの表情がウソみたい。
「あのカフェ、そんなに行ってみたかったの?」
「…それもあるけど、デートなんて初めてだからさ」
皆藤くんのその発言は、さすがに聞き捨てならなかった。
「またまたー、なんの冗談?」
「え?」
「え?って、え?」
キョトンとしている皆藤くんに私の疑念は募るばかり。