カレカノごっこ。

一点の曇りもなく私を見据えていた伊吹くん。

そんな顔で私を見ないで…。

私は耐えきれなくなって、すぐにスマホに目を戻した。



”ちゃんと向き合おうと思ってる”

”まだ付き合ってないならいいじゃん”

”そーゆー問題じゃないんだってば”

”今日で最後にするから。お願い”



もう、なんか、泣きそう。

なんなの。

伊吹くんのことなんてすぐに忘れて、ちゃんと渉とのこと、考えたいって思ってるのに、なんで…。



放課後。

学校の下駄箱に行くと、伊吹くんが誰かを待っているかのようにそこにいた。

私はそんな伊吹くんに声をかける。



「本当に今日で最後だからね!?」




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