カレカノごっこ。
伊吹くんといつもみたいに言い合いながら、学校の近くにあるショッピングモールについた。
さっそく注文して、外の見晴のいいベンチでクレープを食べる。
「おいしい!」
「うまいな、これ」
甘さ控えめのクリームにもちもち生地のクレープは、何個でも食べれそうなくらい美味しかった。
つい食べるのに夢中になっていると、伊吹くんは不意に笑った。
「え、なに?」
「ん?何でもないけど?」
「今笑ってたー」
「そうかな?元々こんな顔だけど」
そう言ってクレープを頬張る伊吹くん。
そしてわざとらしく、唇の横にクリームをつけて私と目線を合わせた。
「わざとやったでしょ?」
「なんのこと?」
伊吹くんはしらばっくれているけど、明らかに私に気づいて欲しそうにニコニコしている。