カレカノごっこ。
「新奈もクリーム付けてよ」
「さすがに意味分かんない」
「俺も取ってみたい」
「無理」
「えー何でー」
そんなの恥ずかしいからに決まってるでしょ。
伊吹くんはイケメンだから何してもいいよ。
私がクリーム付けてるとか、ただの食べ方汚い女子じゃん。
意地でもクリームを付けない私をまじまじと見ている伊吹くん。
や、やめてほしい…。
そんなに見られると緊張してうまく食べれなくなる。
口を開けるのすら恥ずかしくなるんだけど…。
「そんなに見ないで」
「じゃあク…「クリームはつけない!」
伊吹くんの言葉に重ねてそう言った私に、痺れを切らした伊吹くんはまさかの強制突破。
「クリームついてるよ」
そう言って私の唇を親指で拭った。
「あれ、やっぱついてなかったや」
皆藤くんは悪い顔で私にそう言った。
まさかの行動と頬張っているクレープのせいで言葉が出てこない。
そんな動揺した私を見て、伊吹くんは満足そうに笑った。