カレカノごっこ。
「意味不明だって自覚はあったんだ…」
「そりゃあるよね。何言っちゃてるんだろーって。でも引くに引けなくなってさ」
そっか。
そうなんだ。
あの時の伊吹くんは、それが普通ですけど何か?ぐらいのノリで喋ってきたから、私が圧倒されてたけど、伊吹くんもそんなこと思ってたんだ。
「今日もムリ言ってごめんね」
「いつもムリ言ってる」
「確かに」
伊吹くんは静かに笑う。
その表情が寂しさを加速させる。
「でもちゃんと自分に踏ん切りつけたかったんだ」
「踏ん切りって…」
「夢見るのは今日でおしまいって」
「夢…?」
夢って大袈裟。
ただそれっぽいデートしてただけ。
私は伊吹くんに何もしてあげれてないのに。