カレカノごっこ。
秘密ごと。
伊吹くんと最後のデートをしてから1ヶ月がたった。
学校でも挨拶をする程度。
最近席替えをして、伊吹くんとはクラスでもほとんど接点がなくなった。
渉はサッカー部の助っ人を辞めた。
怪我をしていた友達が戻ってきたからだ。
学校から帰る時も、また渉と一緒に帰るようになった。
全てが伊吹くんとデートをする前に戻った。
今は、あの期間が幻だったかのように感じる。
でも。
ちゃんと渉と向き合わなきゃって思ってるのに、気がつけばいつも伊吹くんを目で追ってしまう。
この気持ちも早く元に戻ればいいのにって思う。
「でね、桃々がさ…」
渉と帰宅中。
たわいもない話をしていると、渉は私の言葉を遮った。
「お腹空かない?久しぶりにどっか寄って行こうよ」
「うん、そうだね」