カレカノごっこ。

私たちは、アイス屋さんに入った。



「ん!美味しい」



美味しいけど今の季節、ちょっと寒いかも。

そう思っていると、渉は自分の制服のジャケットを脱いで、私の足元にかけてくれた。

いつもそうだ。

いつも渉は、私が何も言わなくても私の気持ちを汲んでくれる。

そんな渉の優しさが胸に刺さる。



ずっとこうやって私のことを気にかけてくれているのに。

その優しさに気がついていたはずだったのに。



「あのさ、やっぱ俺のこと男として見れない…?」

「いや…」



そうだよね。

ずっと待たせてしまってる。

早く結論を出さなくちゃいけないのに。

渉の優しさに甘えて、ずっと先延ばしにきてきちゃった。

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