カレカノごっこ。

「あ、一応言っておくけど、命に別状はないみたい」

「本当…?」

「ほんとほんと。何回かお見舞い行ったけど、普通に元気そうだったよ」



水島くんの言葉を聞いて、やっとちゃんと呼吸ができた気がした。



「いつ、退院するの?」

「俺も詳しく知らねーけど、入院はもう少し続くみたい。
伊吹にみんなには言わないでって言われたけど、こんな長い間入院になるなら、言わない方が無理じゃね?」



水島くんはそう言ってため息をついた。



「みんな心配するよね…」

「だよなー。黙ってるのもしんどいって言うか?
あ、これ、俺が井上さんに言ったってこと内緒ね?」

「うん。誰にも言わないけど…」

「すげー口止めされてたの。入院のこと誰にも言うなって」



え…。



「それなのに、なんで教えてくれたの…?」

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