カレカノごっこ。
こんな姿、新奈に見られたくなかった。
こんな俺を見て、新奈は幻滅した?
それとも同情した?
何やってんだよ。
こんなことで新奈に病気のことバレるくらいなら、いっそ、お揃いの物なんて買わなきゃよかった。
なのに、調子に乗っちゃってさ。
本当、何やってんだろう。
「でも、元気そうでよかった」
俺はこのザマだけど。
新奈はいつも通りだった。
それならそれでいい。
俺は、ゆっくりとベッドへ向かう。
さっきは動揺のあまり、新奈にひどい言い方をしてしまった。
「ブレスレットのお礼も言えなかったな…」
きっと嫌な思いをさせてしまっただろう。
…だから、それでいいんだって。
もう、俺とは関わることなんか、ないんだから。
それでいいんだ。
「新奈が元気ならそれで…」