カレカノごっこ。
俺が独り言を言い終えた時、病室の扉が開いた。
看護婦さんかと思って目を向けると、帰ったはずの新奈がそこにいた。
「なんで…?」
「ちょっと飲み物買いに行ってて。どっち飲む?」
新奈は笑顔でそう言いながら俺に近づいてきた。
「…飲み物も制限あるから」
「あ、そっか、そうだよね…」
新奈は無理して笑って、買ってきた飲み物をカバンにしまった。
そんな新奈を横目で見守る。
新奈の手が、少し震えていた。
なんで…?
帰れって言ったのに。
なんで戻ってくんだよ…。