カレカノごっこ。
「俺はベリーのやつにするから、はちみつ頼みなよ。シェアしよ」
「へ?いいの」
「なにが?」
皆藤くんはきょとんとした顔で私を見た。
私の食べたいものに合わせてくれてるのかな。
だとしたらさすがに申し訳なさすぎる。
だって皆藤くんもこのお店、来てみたかったんだよね?
「私に合わせなくてもいいよ?せっかく来たんだし好きなもの頼んでよ」
「俺もその2つのどっちにしようか迷ってたんだよね。奇遇だね」
って皆藤くんは頬杖をつきながら笑う。
「実はシェアとか憧れてたんだ。だから本当、気にしないで」
そう言って皆藤くんは更に優しく微笑んだ。
男子はシェアとか嫌がるもんだと思ってた。
だって、渉はいつも嫌がってたから。
いつも私が一口貰おうとすると、食べたいなら自分で頼めよって言ってた。
渉以外の男子とはあまりしゃべったことがないから、男子はみんなそうなんだと思い込んでた。
皆藤くんみたいなタイプもいるんだ。